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礼服の歴史~モーニングを事例に~

男性ファッション

Beautiful Boutonniereフォーマルウェア、もしくは礼服は、年齢を重ねるごとに着る機会が増えるものです。一番着る機会が多いのは冠婚葬祭の時にはなりますが、人によっては式典等に参加するために着ることもあります。礼服として指定されているものは数々ありますが、礼服に共通しているのは、衣服としての機能よりも格式を重視しているという点、それから昼と夜で異なる場合があるというこの二点です。

しかしながら、礼服とはいいますが、そのために作られた礼服というものはほとんどありません。平常服がある時を境に礼服化することが一般的には多くあります。例えば、日本においては、公家の平常服「狩衣(かりぎぬ)」、武家の平常服「直垂(ひたたれ)」などがそうでしょうか。

西洋でも色々とありますが、一つ例を挙げるなら「モーニングコート」でしょうか。西洋化して以降、日本においても最上級の礼服とされるのがモーニングですが、これは元々は乗馬をする時のフロックコートです。あの形は、前の裾が乗馬をするときに邪魔だったためカットして裾を切り落としたのがあの形の由来です。フロックコート自体は、朝の散歩の時に着るように作られたという起源がありますので、そこから「モーニング」という名称、夜間には着ないという礼装としてのルールが生まれました。実際に、19世紀ごろには法律で、お昼の礼装にはモーニングを着るなんて決めた国もあったとか。なんとも適当ですね。

日本だと着る機会は、結婚式で父親が着るか、宮中で行われる叙勲や授賞という特別な機会ぐらいしかありません。人生でもそうそう着る機会がないので、モーニングコートをプライベートで持っている人というのもいないでしょう。一般的には、大手貸衣裳屋の和楽で行っているようなモーニングレンタルサービスを利用するぐらいです。ちなみに「モーニング」で検索すると喫茶店のモーニングばかりが出て来ますので、調べる時には「礼装」も組み合わせるようにしましょう。なお、予測検索は「娘」でした。そう考えるとずいぶんと抽象的な名前ですね。